
■著者 藪禎子
■発行 2009年8月〜9月
■判型 文庫判
北を愛した国文学研究者が透徹した視点で世事をみつめた珠玉のエッセイ
リラの花の美しさに札幌暮らしの幸せを感じ、乱れた若者ことばに苦言を呈し、風情が消えゆく街角風景を憂い──北海道を、日本語を心から愛した国文学研究者が、詩情豊かな筆致で綴った珠玉のエッセイ。
※本書は、月刊クォリティ1997年6月号~2003年7月号に掲載されたものを文庫化したものです。
【1巻目次】
リラの花咲く頃/祭りの季節/「失楽園」ブームを斬る/ななかまどの実の色づく時/ワープロ談義/若者ことば/生活の現場から/金融破綻劇 私見/『夜明け前』の時/お役所・寸感/花・旅・人/倫理の復権/街角風景1/世情昨今/街角風景2/政治の季節 雑感/大統領の責任/街角風景3(札幌中央警察署)/数字のゲーム/解説
【2巻目次】
世情雑感/若者風俗/北鎌倉散策/出処進退/DELIGHT?/スポーツ談義/日本の歌/戦後雑感/『楢山節考』断想/美しい時のために/企業の責任/信濃の旅から/日記の季節/宰相の器/わが師の恩/「民」の復権/昭和の日/権力の授受/広告雑感/解説
【3巻目次】
平等院展 点描/季節の味/女性の時代?/奉仕活動/当世日本語事情/猫踊り・獄門・白旗/冬の花/海の死/停滞の時代~夜明けはいつ?~/女子大生 今昔/粛々と…/アマノジャクの弁/無洗米etc/国の行方
【4巻目次】
時流雑感/三月──巣立ちの時/マキコ人気に異議あり/先人の声/媚びない人/コピー文化/歩きたばこ禁止条例/背番号はいらない/お札の顔/街頭雑感/リクエスト休暇/「世論」というもの/おとなしい日本人/教育──わが体験記/レインシューズが欲しい/憂鬱な日々/戦い済んで/さよならの弁/解説(渡邊 澄子)/解説(藪 淳一)
【著者プロフィール】
藪禎子(やぶ・ていこ)
1930年芦別生まれ。藤女子短大を経て東北大学文学部国文学科卒業。北大大学院文学研究科修了。日本近代文学専聴。藤女子大学講師、助教捜、教捜を経て、96年退職。著書に『小説の中の女たち』『透谷・藤村・一葉』など08年10月没。